
私は、江戸時代にルーツをさかのぼる庭師の伝統を引き継ぐ家系に生を受け、造園業の世界に入りました。
先代から受けてきた大切な心がけの筆頭に、草木に対しては常に愛情をもってとり扱わなければならないということがあります。実際に剪定、施肥、消毒、栄養剤、水やりの方法を考えるとき、どんな場合でも、樹木にたいする心からの愛情と誠意をもって、樹木にとって何が必要なのか、何をしたら一番いいかを常に自分に言い聞かせながら仕事をすすめさせていただいています。
私どもが庭師の仕事をおこなう上での一つの目標は、「人と自然との共生」です。多くの先人たちによって、これまでの人の営みが自然を破壊してきたとの反省がなされてきました。ただ自然を開拓し支配することを是とするだけでなく、むしろ人は自然によって生かされているのではないでしょうか。そして、「より豊かに生きる」ことと、「自然をもっと豊かにしようとする努力」は決して矛盾しない事柄であると考えます。
さらなる大切な目標は「安らぎや潤いを感じる、真に豊かな環境づくり」です。私どもの仕事が、ご依頼くださったお客様にとって安らぎと潤いをもたらすものとなるように、
心から喜んで頂けるように努めたく願う所存で御座います。